ミャンマーで巨大化した舌を持つツキノワグマが人々の熱意により舌の肥大した部分を除去する手術に成功した。
今回、手術を受けた熊は、野生動物を密漁して不法売買を行う中国の悪質業者からミャンマーの僧侶が救い出したツキノワグマ2頭である。
2頭は兄弟で救出された後、ニャン・トゥー(Nyan Htoo)と、カン・トゥー( Kan htoo)と名付けられた。
そして僧侶のいる修道院で暮らしていたが、ニャン・トゥーの舌がみるみるうちに肥大化していったのである。
当時、ニャン・トゥーの巨大な舌の原因がわからず、昨年2016年に初めて舌の余分な組織を取り除く処置をした。処置後順調に回復すると思われたが肥大化は再び始まり時が経つとともに悪化する一方だった。
動画ではニャン・トゥーが肥大化した舌を引きずるようにして生活しているのがわかる。
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この動画を撮影した当時、巨大な舌はニャン・トゥー自身の鋭い歯で常に負傷しており、彼の顔ほどもある重い舌を引きずる生活は彼の生命に関わるとして今年6月に舌の余分な組織を除去する手術が行われた。
ニャン・トゥーの手術を指揮したのが、「スコットランド・エジンバラ大学」のヘザー・ベーコン獣医師と「アジア野生動物・熊レスキューセンター(ベトナム)」のキャロライン・ネルソン獣医看護師だった。
二人の呼びかけにより動物福祉の専門家、そしてスコットランドにある「国際野生動物外科手術(Wildlife Surgery International)」の、ロメイン・ピッツィ獣医師が手術に加わることとなった。
それだけではない、手術にかかる資金は野生動物の保護活動をしている「ウィストンベリー福祉財団」と「フリー・ザ・ベアーズ」によって集められた。
そして各方面からニャン・トゥーを救うためのスペシャリストがミャンマーに集まった。
ミャンマーの高温多湿の蒸し暑い気候の中、手術は4時間もかかった。そして舌の余分な組織を除去したのだが、その大きさは約3キロほどだったという。
後に除去した舌の検査を行ったところ、蚊の媒介によって感染する「象皮病」にかかっていたと判明した。これは感染した箇所が象の皮膚のように大きく肥大するのだが、ミャンマーでは人への感染は珍しくないが、熊の感染はこれまで報告がなかった。
現在、身軽な状態となったニャン・トゥーは日々回復しており兄弟熊のカン・トゥーと共に元気に遊ぶ姿が見られるそうだ。
今回のニャン・トゥーを救ったチームに関してヘザー・ベーコン獣医師は下記のように話している。
今回獣医師、福祉、2頭を世話する人達、それぞれの専門知識を出し合い、そしてこのユニークな共同プロジェクトに関わる皆さんの思いが熱意となってニャン・トゥーの生活を目に見えるほど改善できたのです。これからも私達は動物福祉、獣医師のトレーニングの促進の為にミャンマーで仕事を続けていきたいと思っています
そして、キャロライン・ネルソン獣医看護師も次のように述べている。
これは本当に珍しい病状でした。今まで熊では決して見る事はありませんでした。しかしどんな奇病だったとしても私達はニャン・トゥーを救うことをあきらめようとはしませんでした。私達の結束によって彼の生活の質が前よりも良くなったことに非常に喜びを感じます。彼は元気に食べ、自由に寝そべって眠り残りの生涯を自由に行動することができます。
野生動物は私達、人類にとってかけがえの無い「宝」である。その「宝」を守っている人達に称賛の言葉を贈りたい。
●全ての写真、動画の著作権はエジンバラ大学にあるため無断で使用はできません。
●This copyright belongs to The University of Edinburgh.
【参考サイト】
◆The University of Edinburgh
◆Wildlife surgery
◆Animal Asia
◆Winton bear foundation
◆Free the bears
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