12歳で妊娠、13歳で結婚、そして母親に。チャイルドマザーとなった5人の少女の事実の物語

日本では考えられない事が海外では起こっている。12歳で妊娠、そして結婚、13歳には母親になるという、チャイルドマザーが世界中で毎年200万人いると言われている。




また18歳以下で出産を経験するチャイルドマザーは毎年750万人と推定されている。1日で約2万人の幼くして母親になる事を余儀なくされるチャイルドマザーが誕生しているのだ。

今回ご紹介するのは、発展途上国で若くして母にならざるを得なかったチャイルドマザーのストーリー。

■13歳の母アンジェリカのストーリー

【出典: http://www.childmothers.org
著作権:UNFPA /PLAN INTERNATIONAL

また、友達のいる学校に行きたい・・・13歳の母の願い

写真のチャイルドマザーの名はアンジェリカといい、ハイチ共和国に住む、13歳の少女である。愛おしそうに抱いている我が子は当時生後3ヶ月。ちなみにハイチは西半球でも最も貧しい国と言われており、国民の80%は劣悪な貧困状態に置かれている国である。

アンジェリカの住む街

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ここで暮らすアンジェリカは、12歳の時に16歳のボーイフレンドとの間に出来た子供を妊娠し、結婚をしたのだった。そのため彼女は大好きな学校に行けなくなったのだ。彼女は学校で友達と一緒にダンスや演劇を学んでいたという。アンジェリカは「自分がいない学校で、友達がダンスを楽しんでる事を考えると寂しく感じる」と話している。

アンジェリカの夫は学校に通い続けているものの彼女は朝早くから水を汲みに行き、夫の幼い兄弟達のために朝食を容易して、その後、学校まで送るという毎朝が続いている。それだけではない、洗濯や家事をしながら3ヶ月の我が子を育てているといるのだ。13歳という若さで・・・。



彼女自身、自分が子供にとって充分世話が出来ているとは思っていないそうだ。それでも彼女は自分の子供にはきちんと世話をして後々十分な教育を受けさせたいと考えている。そして、自分も学校に戻りたいという夢を持っているのだ。

アンジェリカの夢は学校にまた戻る事・・・。

アンジェリカは他の女の子に向けて伝えたいことがあると話している。

「もし若い貴方にボーイフレンドがいるのなら、避妊をするという知識を持っていなければなりません。そして妊娠をしないように避妊具を使用する事です。」

 

12歳で妊娠すると自身の人生がどのようになるかなんて想像できない年齢かと思います。その国の社会のあり方が望まない若い母親を生み出してしまうと言えます。それでも、アンジェリカのメッセージが同じ年齢の女の子たちに届く事を願わずにはいられない。

■14歳で妊娠、アイサのストーリー


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学校教師からの暴行によって妊娠、15歳で母となる

西アフリカに位置する国、ブルキナファソに住むアイサは14歳の時に担任教師に暴行され妊娠、そして暴行相手の家族と暮らす事になった。暴行した相手の家族とともに暮らすなどとは、日本では考えられない事である。

アイサは、まだ学校に通っていたころ、テストの結果を指導するとの事で担任教師に呼ばれたとのことだ。アイサは行くのを断ったのだが来ないとテストの結果に影響すると脅され、しぶしぶ会いに行ったとのことだ。そして悲しい事に信頼している担任教師からその時に暴行を受けたのだった。


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その教師は学校を1年停職処分となったそうだが、アイサはその後彼女の両親と教師の両親との話し合いで、暴行した教師の実家のもとでアイサは暮らす事となったのだ。しばらくアイサは教師の親たちが授業料を払っていたためにしばらく学校に通う事ができたのだが、それ以外は一切アイサに対してお金を使おうとはしなかった。

アイサは教師の実家に住み始めてから5ヶ月後には、その家を出て自分の家に戻る事にした。しかし、彼女の実の父親の態度は冷たいものだった。アイサが妊娠する前は授業料はもちろん彼女が必要な物を用意してくれていたのだが、妊娠をきっかけに彼女を遠ざけるようになったのだ。


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アイサは今、母親と姉妹、そして自分の子供の4人で暮らしている。しかし、暮らしは楽ではないため朝早く起きて我が子をお風呂に入れた後、パンケーキなどを売り歩いて生活の足しにしている。

彼女は「最近、友人達が学校に通う姿を見ると、とても悲しくなります」「もっと、もっと後になってから母親になりたかった…」と、話している。

教師による学校の内外での女子生徒への暴行は国際的な問題です。特に発展途上国では教師自身のモラル教育が不十分なため、アイサのようなケースが後を絶たないとの事だ。


■13歳で結婚、アミラのストーリー


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自分の子供と遊んでいる時に自分が子供だと思いだす

アミラはヨルダンの難民キャンプで夫のマハメドと二人の子供たちと共に暮らしている。ヨルダンでは貧困と性暴力から自分の身を守るために幼くして結婚する少女が増えいているという。アミラもそのうちの一人であろう。



アミラは13歳で結婚し、長男であるサマルをすぐ妊娠、出産した。続いてその後アマルが誕生し、二人の子供の世話をしている。アマルと夫のマハメド、二人の間は初めはうまく行かなかったという。

しかしサマルが生まれてからマハメドは協力的であり、それから徐々に二人の溝は埋まっていったそうだ。しかし現在15歳(2016年現在)のアミラにとって、夫の世話と二人の子供の世話は困難を極めるものと思われる。


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彼女は自分の為に費やす時間がない事を嘆く。一人目のサマルを産んでから体が非常に疲れやすく、二人の子供の育児は彼女にとって非常にハードな事である。しかし、彼女は1歳になるサマルと一緒に遊んでいる時は自分が無邪気になれ、「まだ自分は子供だったんだ」と気付かされるのだそうだ。

アミラの夢は再び学校に戻り教師になる事だそうだ。そして今後は子供を産む事は望んでおらず避妊をしたいと話している。そして二人の子供には十分な教育とオモチャを用意してあげられるようにしたいと望んでいる。


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幼くして結婚する目的暴行から身を守るためというヨルダンの悲しい現実、アミラの夫は彼女に比較的理解を持った男性であるため彼女の生活がここまで成り立っているのだと思われる。しかし結婚後も歳の離れた夫の理解を得られずに苦しむチャイルドマザーが他にも多くいる事も忘れてはならないのだろう。

■14歳で強制結婚、ナルギスのストーリー


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私の将来の計画は全て息子の為にある。

バングラデシュの農村で育ったナルギスは14歳で親が決めた相手と強制結婚させられた。もともとナルギスの実家は裕福ではなく彼女を育てるための生活費を捻出する事が出来なかったのだ。

ナルギスは学校の勉強がとても好きで将来は法律の資格をとるのが夢だったそうだが、その夢も強制結婚によって儚い夢となってしまったのだ。彼女は相手の顔も知らぬまま結婚させられ、当時は涙が枯れるまで泣いていたそうだ。

無理もない、当時ナルギスはまだ14歳という若さだったのだから…。そして結婚後まもなく男の子を出産した。彼女の夫は息子が欲しかったために非常に喜んでいたとのことだ。そして彼女自身も自分の赤ちゃんを見た時に幸せを感じる事ができた。


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しかし、ここでの生活は15歳の女の子が体験するには非常に厳しいものだった。彼女は毎朝5時半に起き、息子の世話をした後、午前七時に縫製工場へ働きに行き、午後8時頃仕事から帰る。そしてその後、また息子の世話をするのだ。

ナルギスは1日中息子を置いて仕事をしている事に少し罪悪感を感じているそうだ。後々、息子が学校へ行きはじめたら仕事はせず、息子の学業をサポートしたいと話している。息子は今の彼女の生きがいとなっているようだ。


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ナルギスは自身もまた再び学校に行き試験にパスする事を夢見ている。そして今後は、子供を産む事は希望しておらず夫の理解も得られた上で避妊ピルを服用している。

バングラディシュでは貧しい家族の為に強制結婚のうえチャイルドマザーとなる少女達が後を絶たない。ナルギスの場合は夫が理解ある男性であったため今後出産はしなくても済んだようだが、全部のチャイルドマザーがそうであるとは言えないのが現状である。

■14歳でシングルマザー、ラマイレンのストーリー


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2010年にハイチを襲った地震はハイチの経済状況を壊滅的な状況に陥れました。今だ(2016年現在)非難キャンプでの生活を余儀なくされる人々もおり、そこでは幼い女の子や女性が暴行を受ける被害が後を絶たないそうだ。



ラマレインは14歳の時知り合った男性との間に子供が出来てしまった。その男性とはもう会っていないそうだ。当時、彼女は中絶をするつもりだったのだが彼女の母がそれを許さなかった。

そして現在、(2016年現在)生後6ヶ月の女の子をシングルマザーとして育てている


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ラマレインの出産は24時間にも及んだ。出産直後は痛みで苦しいにも関わらず病院側からは鎮痛剤をくれる事はなかったという。病院の経済事情や設備が不十分というのもあったためであろう。

それからラマレインは彼女の母親の支援もあり学校に通い続けながら子育てをするという生活を送る事となった。将来はもっと勉強をして看護婦になることを夢見ている。しかし、彼女の家庭は決して裕福とは言える状況ではなかった。

ラマレインの家族


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そのためラマレインは、自分が看護婦の道に進むことが出来ないなら自分の娘になってほしいと願っている。現在ラマレインは15歳、この歳にして自分の子供の将来の事を考えるという事は日本では考えられない話である。

ラマレインは、いずれ大人になったきちんとした結婚をしたいと望んでいる。

多くの国で国際法と国内法令によって禁止されているにも関わらず、発展途上国では女の子が9人1人の割合で15歳以下で結婚している。

今回、紹介した5人のチャイルドマザー以外にも多くのチャイルドマザーが存在する。それは、貧しさから逃れるために結婚、または暴行などによって妊娠、性教育に対しての不十分な対応などから起きているようにも見える。

先進国に住む我々はこの現状に目をそらさず、日本でも意図せず妊娠してしまう少女たちを大人達が守らねばならない。

今回のこの写真とテキストを提供してくださったチャイルドマザープロジェクトのソフィアさん達はこの現状に置かれている少女たちを支援している団体で、たくさんの資料を快く提供してくれたことに感謝をせずにいられない。

ちなみに我が国日本でも14歳以下で出産する女性が毎年40人から50人弱ほどいるとの事だ。(厚生労働省: 「出生数の年次推移,母の年齢」から参照)