ギラン・バレー症候群で首から下が麻痺した女性、原因は、夕食に鶏肉を使った炒め物料理を食べたことによる。そのため、食中毒を起こしギラン・バレー症候群を併発した。
ギラン・バレー症候群(Gillain-Barré syndrome)は、10万人に1人の確率で発症する稀な抹消神経系の疾患である。これは細菌などに感染した際に本来、人が持ち合わせている、自分を守るための免疫のシステムが異常を起こし、外部からのウイルス以外に自身の運動神経まで攻撃 してしまうため、運動機能が体が麻痺して機能しなくなるのだ。
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場合によって、自発的に呼吸ができなくなり生命維持装置に頼らざるを得ない状態になることもある。
そして、3年前の2014年の春頃、この病を克服した女性がいた。イギリス、アイルランドのダブリンに住むサンドラ・ロフタスさん(Sandra Loftus)は、いつものように家族のために夕食を作っていた。その日は鶏肉を使った炒め物だった。
●サンドラさんは生死の境をさまようことに。
サンドラさんは鶏肉料理を食べた翌日、胃の辺りがひどい痙攣をおこし、吐き気や下痢などの症状に悩まされた。病院にて診察してもらったが1日入院することとなった。医師からは「ウイルスに感染しているようだが、これで自宅で様子を見て回復する様子がなければまた来て下さい」と一旦自宅に帰された。
しかしサンドラさんの症状はますます悪化した。そのうち腕を上げることも出来なくなり首から下全体が麻痺状態でまったく力が入らなくなってしまったのだった。彼女は体の筋肉を何一つとして動かすことが出来なくなっていた。
サンドラさんは、カンピロバクターに感染した鶏肉を食べたことにより食中毒を起こし、ギラン・バレー症候群を併発してしまったのだ。
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サンドラさんは集中治療室で3か月間過ごすこととなり、その後もダメージを受けた運動神経を回復させるため9か月ものリハビリに励んできた。その甲斐あって首からつま先までまったく動かなかった彼女の体は通常の人と変わらないほどに回復した。
●汚染された鶏肉。
英メディア『Mirror』の当時の記事によると、残念なことに、アイルランドのスーパーマーケットなどの市場に出回る鶏肉においては50パーセントがカンピロバクターに感染していることが欧州食品安全機関の調査で分かったと報じている。
しかしながらカンピロバクターの感染は鶏肉だけではなく牛肉、豚肉も可能性が十分にあるとのことだ。
アイルランドの農業食糧部門の権威である団体が運営するリサーチセンター「Teagasc’s Food Research Centre」のデクラン・ボルトン博士は当時「2014年にカンピロバクター食中毒に感染した人は2600人にも上り前年度に比べて14パーセントも増えている」と指摘している。
カンピロバクターに感染した鶏肉を含む食肉はしっかりと熱を通して調理することで細菌が死滅するが、調理前に水で洗ったり生肉を切ったまな板をそのまま使用したりすることで他の食品に移ることもある。
サンドラさんの場合も彼女だけが食中毒にかかったのは、このような理由が重なったからかもしれない。
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ギラン・バレー症候群は、1916年に3人のフランス人医師がこの症状を定義づけたことから、このうち二人の医師、ジョルジュ・チャールズ・ギラン( Georges Charles Guillain )とジーン・アレクサンダー・バレー(Jean-Alexander Barré)の名にちなんで命名された。
100年も前から、その存在は確認されているものの、免疫のシステムが異常を起こし、自身の運動神経まで攻撃してしまう明かな原因はまだわかっていないとのことだ。
【参考サイト】
◆Mirror
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